■国際交流活動に関する支援
東邦大学医学部同窓会「国際交流活動に関する支援」の趣旨
趣旨:本学医学部に於いては、本邦では最も早期に6年次生のカリキュラムに選択制臨床実習(ECC)を1994年(平成6年)に採用した。
以来、海外の大学との協定(MOU)を結び海外におけるECCを実施してきている。
MOU大学の数も年々増加し、現在はタイ(PSU 1998, CMU 2002)、中国(昆明醫学院 2003、 吉林白求恩医学部 2004)、トルコ(Baskent大 2003)、モンゴル(MSUM 2006)、NZ(Otago大 1999)、英国(SF大 1998, LPL大 2000)と9大学がMOUに則ったECC施設となり、毎年、クラスの約10%が海外におけるECCを行っており、将来を見据えた教育での大きな成果を上げている。
私が医学部長の在任期間であった2003年に、同窓会から医学部への海外交流の補助金として100万円を提供する承認を得、以来、毎年、これが継続されている。
この度、同窓会の事業の一環として下記の2つの見地から、海外交流促進を念頭に置いた事業を立ち上げ、国際交流活動支援のための補助金を設定するものとする。
モンゴル医療奉仕団活動への支援:本奉仕団の活動は舳松 洋同窓会長が個人のレベルで、2000年(平成12年)8月、活動を開始したことに端を発し、賛同者が集まり、毎年夏に活動、本年で第7回を終了している。
本奉仕団は医師、歯科医師、看護師、サポータなど日本から15〜20名の賛同奉仕者で構成され、モンゴルの首都ウランバートルの近郊の村に於いて、1日の活動ではあるが約90名の受診者の診療活動を行っている。
本年度はMOU提携大学である国立Medical Sciences University of Mongolia (MSUM) の学生2名(医学部6年生、歯学部4年生各1名)が本奉仕団活動に参加している。
同窓会として、この奉仕団の活動を支援し、アジアにおける日本がなすべき姿勢を示すばかりでなく、本活動は医学部の国際交流支援にも重要であると考えられ、本奉仕団活動を平成19年度の支援を予定する補助金総額:¥600,000以内に於いて支援するものとする。
第7次(平成18年夏)モンゴル医療奉仕とHSUMとの交流:
期間:060805(土)〜 060809(水)
スケジュール:
060805(土)Lv. NRT 13:30 OM502
Ar. ULB 19:00
060806(日)医療活動 (Gachurut Village Clinic)
060807(月)Hustai National Park視察
060809(火)Health Sciences University of Mongoliaを表敬訪問
060809(水)Lv. ULB 06:00 OM501
Ar. NRT 12:30
今回の第7次モンゴル医療奉仕団(団長 舳松 洋 東邦大学医学部同窓会長)は日本から15名(医師6名、歯科医師4名、看護師2名、サポータ3名)、モンゴルから5名(通訳3名、医学部6年生1名、歯学部4年生1名)の参加者で構成された。
構成員中モンゴルの医学生(Miss Batsuren CHOIJAMTS)・歯学生(Suuri OYUUNSUREN)の2名は HSUMの医学部・歯学部学生であり、現地の学生参加は本医療奉仕団としても今回が始めてであり、現地学生にとっても、意義深いものであったと思われる(HSUM学生の参加は、MOUの締結無しには実現されなかった)。
診療は09:00-16:00において、総合問診、内科、整形外科、耳鼻咽喉科、泌尿器科、歯科、血液生化学検査の部門に分かれ、患者総数98名の診察・治療を行った。
HSUM表敬訪問:
当日は、HSUMでの小泉首相、日本学術会議委員の受け入れが急に決定されことにより、その対応で、 我々(前医学部長 松島正浩、医学部国際センターシニアーディレクター 内山利満)の訪問スケジュールの変更が余儀なくされ、表敬訪問の時間も約1時間と短いものであった。
話し合いを持った先方の教員は以下の2名であった。
Dean of School of Medicine, Health Sciences University of Mongolia
Assoc. Prof. Khasag ALTAISAIKHAN, MD, PhD
Dean of School of Dentistry, Health Sciences University of Mongolia
Assoc. Prof. Bazar AMARSAIKHAN, DDS, PhD
(Chief Officer of Ministry of Health, Mongolia)
表敬訪問から得られた情報と今後への示唆:
学生交流:本年2月およびそれ以前に情報がなかった「HSUMと徳島大学、島根大学、大分県にある中津病院との交流」が明らかとなった。
これらの施設とHSUMとの交流は、東邦大学医学部が提示している経済的条件に比して、HSUMにとってより好条件で行われていることが判明した(例、中津病院では、3ヶ月を最長に、飛行機代、月8万円の生活費、宿舎の提供)。
このことは、HSUMから来る学生交流は余ほどの内容的魅力が無いと期待は低いものと判断された。
想定されること:東邦大学の現実から考え、HSUM学生にとって経済的理由、東邦大学学生にとっては興味の対象から考え、学生交流はかなり困難が伴われるものと思われる。
後列左から:HSUM医学部学6年生、HSUM歯学部4年生、内山利満
前列左から:HSUM医学部長、松島前医学部長、HSUM歯学部長
前医学部長松島正浩先生からの資料及び話と同行同席した事をもとに原稿とした。(文責:43年卒中島麒一郎)